JAL B767-300 (1986〜) / 300ER (2002〜) / 300F (2007〜2010)

B767-300は、ボーイングがB767-200のストレッチ型として開発した250席クラスの中型双発機である。
三発ワイドボディ機のすぐ下に位置する手頃なキャパシティと、幅広い路線に投入できる汎用性によってベストセラーになった。
B767シリーズには他に200型、400型といったバリエーションがあるが、その中でも突出して生産数が多いのが本機種300型となっている。
現在では、燃料タンクの増設と高性能エンジンの装備で航続距離を延長した改良型のB767-300ERが生産されている。
ボーイングの他機種同様に貨物専用型も開発され、300ER型をベースとして新造の300F型と旅客型から改修した300BCF型が生まれている、

JALでは、国内線や短中距離国際線で活躍していたDC-8-61の後継として、1986年から本機種を導入した。
本機種の開発にあたっては ローンチカスタマーとなり、製造1号機もJA8236として納入されている。
滑走路が短くDC-10やDC-8-61では運航できなかった空港にも次々に就航し、国内線ネットワークを広げる立役者となった。
エンジンはB747クラシックと共通のJT9Dを採用していたが、生産終了に伴い1994年からB747-400と同じCF6に変更され、2種類のエンジンを装備した機体が混ざって運用されていた。
2002年からはDC-10やMD-11の後継として国際線仕様の300ER型が導入され、300型と合わせて旅客型だけで50機近い大所帯を形成する。
JASとの統合後はA300-600Rとともに国内線や短中距離国際線の中心機材として運用され、A300が売却された現在でも活躍を続ける。
また2007年からはJALカーゴにとって久しぶりの中型機である300F貨物型も導入されたが、JALの倒産・経営再建に伴い2010年に売却となった。
2000年代末には初期のJT9Dエンジン機から退役が始まった一方、B787ドリームライナーの開発遅れもあり2010年代初頭まで新造機の導入が続いていた。
現在ではERでない300型は少数を残すのみとなり、ER型の一部はウィングレット装着で長距離路線に進出する一方で残りは国内線転用が進んでいる。
国内線機材はB737-800やERJの大量導入もあり全体的に小型化したため、本機種はファーストクラスを装備する「大型機材」として位置づけられている。

Part 1 (JA 8234, 8235, 8236, 8253)
Part 2 (JA 8265, 8267)
Part 3 (JA 8268, 8269, 8299, 8364)
Part 4 (JA 8365, 8397, 8398, 8399)
Part 5 (JA 8975, 8976, 8980, 8986)
Part 6 (JA 8987, 8988, 601J, 602J)
Part 7 (JA 602J, 603J, 604J, 605J)
Part 8 (JA 606J, 607J, 608J, 609J)
Part 9 (JA 610J, 611J, 612J, 613J)
Part 10 (JA 615J)

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「新・旅客機型式シリーズ5 日本のBoeing 767」 イカロス出版 2008年

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