JAL B747-100 (1970〜2005) / 200 (1971〜2007) / SR (1973〜1994)
100F (1977〜1992) / 200F (1974〜2009)

ボーイングB747は、アメリカの航空機メーカーであるボーイングが開発した長距離用の大型4発機である。
飛行機ファンならずとも、「ジャンボジェット」として旅客機の代名詞になり世界中で非常に有名な機体となった。
機体前方を2階建て構造としてコクピットを2階部分へ移したため、独特なフォルムをしている。
これは元々が大型貨物輸送機として開発が始まり、長尺貨物を機首から搭載できるように設計したためである。
通称「コブ」と呼ばれる2階部分が小さいオリジナルタイプは、初期型の100型、性能を向上した200型、日本国内線の短距離運用に特化したSR型に分けられる。
B747は貨物機としても非常に優秀な機体で貨物専用200F型が多数製造されたほか、類い希なキャパシティを活用した貨客混載200M型が活躍した。
また300型や400型が開発され旅客型・貨客混載型の主力が移ると、これらから貨物型に改修されて長期間にわたり運用されている。

JALでは1970年に100型の初号機JA8101を導入し、旅客型のオリジナルタイプだけで最盛期には42機もの大フリートを形成した。
1970年7月の羽田−ホノルル線以来，本機種の活躍範囲は大きく広がり太平洋ノンストップ路線への期待も高まってきた。
そこで導入されたのが航続距離延長型の200Bであり、翌1971年には初号機JA8104が導入されてアメリカ本土へジャンボがひとっ飛びする時代が幕を開けた。
200B型は導入途中でエンジン改良を2回受けて性能がさらに向上し、特に最終導入となったJA8161, 8162, 8169の3機はJALのフリート中最長となる航続距離を活かしてニューヨーク直行便に投入された。
また、グループエアラインのJAA（日本アジア航空）やJAZ（JALウェイズ）でも主力機材としてビジネス・リゾート路線問わず大車輪の活躍を見せた。
一方、活発化する国内線需要に対応すべく世界最多の座席数を擁するSRも導入され、改良型の100B型と合わせて10機が国内幹線の屋台骨を支えてきた。
別記事で紹介している300型16機と400型42機を加えると旅客型でちょうど100機となり、まさに「JALの歴史はジャンボの歴史」と言っても過言ではない。
JALでは貨物型も改修機含めて13機を運用し、JALカーゴの揺るがぬフラッグシップは世界の物流に貢献してきた。
しかしB777を初めとする新世代機が勢力を伸ばし、2007年10月31日、羽田−金浦線でJAZ所属のJA8150がラストフライトを務め、37年にわたるオリジナルクラシックジャンボの活躍は静かに幕を閉じた。

Part 1 (JA 8128, 8130, 8131)
Part 2 (JA 8140, 8141, 8150)
Part 3 (JA 8154, 8155, 8164)

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2007-2008」 イカロス出版, 2007年
「新・旅客機型式シリーズ4 日本のBoeing 747 Classic」 イカロス出版 2008年

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