JAL DC-9-41 (1974〜1997)


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機種概要

DC-9は、アメリカのマクドネルダグラスが開発した短距離用の小型双発機である。
長距離用のジェット機として成功を収めたDC-8に引き続き、短距離路線の市場を狙った小型機として誕生した。
初期のDC-9は10型と呼ばれ、運航乗務員2人で運航できる機体サイズの制限から、現在ではリージョナルジェット機にあたる80席クラスだった。
その後、より大型で2人乗務を実現したB737-200に対抗すべく、胴体のストレッチを重ねて100〜130席クラスの30型、40型、50型へと進化した。
特に30型と50型は世界各国のローカル線で幅広く活躍し、DC-9をベストセラーに押し上げた名機となった。

東亜国内航空(TDA、現JAL)がジェット化を進めるために1974年から40型を大量導入した。
それまで唯一のジェット機としてB727-100を運航していたが、当時のローカル空港は滑走路が短くB727が使える路線は限られていた。
ライバルであるANAとの対抗上一刻も早い導入が急務だったため、アメリカのヒューズエアウエストから30型をシースして先行投入した。
TDAは本機種を新たなフラッグシップと位置づけ、「情熱とほほえみ」を表現した新塗装「レッド&グリーン」を採用した。
1976年にはキャパシティを増やした50型をリース導入し、これがA300やスーパー80といった本格的な機材大型化につながっていく。
40型は全部で22機が導入され、1990年代までローカル線を中心に飛び回る一方で幹線のサポートもこなす働き者であった。
しかし、騒音基準が厳しくなり、ローカル線にもMD-81/87/90の新機材が導入されると、これらと入れ替わるようにしだいに日本の空から姿を消し、1997年に最後の1機が引退した。
それでも、本機種は現在のJAL国内線の基礎を築いた機体であり、その活躍は決して色あせることはない。


日本エアシステム DC-9-41
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-9-41 (JA 8427) 日本エアシステム

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 備考
JA 8423 DC-9-41 47603/720 1974.03 1981.03 売却 トランスワールド航空 N935L 解体
JA 8424 DC-9-41 47604/722 1974.03 1981.06 売却 スピリット航空 N130NK 解体
JA 8425 DC-9-41 47605/724 1974.04 1982.02 売却 スピリット航空 N131NK 整備保存
JA 8426 DC-9-41 47606/727 1974.05 1982.01 売却 ダイナー航空 LV-YOA 解体
JA 8427 DC-9-41 47608/732 1974.06 1993.02 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N953AX
JA 8428 DC-9-41 47612/736 1974.06 1993.03 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N954AX
JA 8429 DC-9-41 47613/742 1974.09 1981.10 売却 ダイナー航空 LV-YPA 整備保存
JA 8430 DC-9-41 47614/747 1974.10 1983.01 売却 ダイナー航空 LV-YNA 整備保存
JA 8432 DC-9-41 47615/751 1974.11 1991.01 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N952AX
JA 8433 DC-9-41 47616/759 1974.12 1989.09 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N951AX
JA 8434 DC-9-41 47617/762 1975.02 1982.11 売却 トランスワールド航空 N933L 解体
JA 8435 DC-9-41 47618/764 1975.02 1983.02 売却 トランスワールド航空 N934L 解体
JA 8436 DC-9-41 47619/768 1975.03 1991.12 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N955AX
JA 8437 DC-9-41 47620/777 1975.07 1992.05 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N956AX
JA 8439 DC-9-41 47759/871 1977.12 1993.03 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N957AX
JA 8440 DC-9-41 47760/874 1978.02 1996.05 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N958AX
JA 8441 DC-9-41 47761/875 1978.03 1996.12 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N959AX
JA 8442 DC-9-41 47762/876 1978.04 1996.10 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N960AX
JA 8448 DC-9-41 47767/885 1978.09 1993.04 事故抹消 1993.04.18
花巻空港にて着陸に失敗し大破炎上
JA 8449 DC-9-41 47768/887 1978.10 1996.10 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N962AX
JA 8450 DC-9-41 47780/894 1979.01 1997.01 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N963AX
ラストフライト機
JA 8451 DC-9-41 47781/895 1979.01 1996.08 売却 貨物機DC-9-41Fに改修
現ABXエア N964AX
製造最終号機
N 762NC DC-9-51 47710/818 1976.09 1978.04 短期リース ノースセントラル航空 N762NC
現 ノースウエスト航空 N762NC
N 763NC DC-9-51 47716/832 1976.09 1978.04 短期リース ノースセントラル航空 N763NC
ノースウエスト航空 N763NC 事故抹消
N 9333 DC-9-31 47246/292 1973.09 1975.02 短期リース ヒューズエアウエスト N9333
現 ノースウエスト航空 N9333
N 9334 DC-9-31 47247/342 1973.12 1974.11 短期リース ヒューズエアウエスト N9334
ノースウエスト航空 N9334 整備保存
N 9MD DC-9-51 47696/808 1977.06 1978.10 短期リース フィンランド航空 OH-LYP
現 UMエア UR-CCT

スペック
DC-9-41
(国内線)
DC-9-31
リース機
DC-9-51
リース機
全長 38.3 m 36.5 m 40.7 m
全幅 28.5 m
全高 8.5 m
巡航速度 815 km/h
航続距離 2,420 km
最大離陸重量 51.7 t 49.0 t 54.9 t
エンジン PW JT8D-15 7,030 kg ×2 PW JT8D-9 6,580 kg ×2 PW JT8D-17 7,270 kg ×2
座席数 Y128 Y118 Y138

塗装バリエーション
東亜国内航空 DC-9-41
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-9-41 (JA 8423) 東亜国内航空

東亜国内航空 DC-9-31
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-9-31 (N 9334) 東亜国内航空

東亜国内航空 DC-9-51
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-9-51 (N 763NC) 東亜国内航空

東亜国内航空 DC-9-51
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-9-31 (N 9333) 東亜国内航空旧塗装

参考文献

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「旅客機型式シリーズ7 DC-9 / MD-80 / MD-90 & Boeing 717」 イカロス出版 2002年


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