JAL DC-8-61 (1969〜1988)


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機種概要

DC-8-61は、アメリカのマクドネルダグラスが開発した中長距離用の中型四発機である。
増え続ける旅客需要に対応するため、DC-8-50をベースとして胴体を11mもストレッチすることで大型化を実現した。
最大座席数は256席、全長は57mに達し当時世界最長というだけでなくB757-300が誕生した今も世界最長のナローボディ機である。
この大幅なストレッチで離着陸時のテイルコンタクト事故が懸念されたため、機体最後尾にはテイルスキッドと呼ばれるバンパーが装着された。
航続距離に関してはDC-8-50よりも短くなったものの、B747とB727の間を埋める機材として世界中で重宝される機材となった。

DC-8-50シリーズを主力として国際線に投入していたJALは、1969年に機材大型化のために本機種を導入した。
本機種はDC-8シリーズの中ではもっとも航続距離が短いため、アジア路線などキャパシティが優先される路線に投入され大活躍していた。
自社発注の9機に加えてイースタン航空から中古購入した9機,短期リースの5機を合わせて最盛期には23機を数えた。
しかし、1970年にB747、1976年にDC-10がデビューするとしだいに国際線での活躍の場は狭まってきた。
その後はオールエコノミー234席という適度なキャパシティを活かして、需要が伸びてきた国内線で飛び回るようになった。
本機種は1986年に直接の後継機となった中型双発機B767-300にバトンを渡し、1988年に大勢のファンに見送られながら日本の空を去っていった。


日本航空 DC-8-61
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-8-61 (JA 8038) 旧々塗装

フリートリスト
登録記号 運航会社 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 愛称 備考
JA 8038 JAA DC-8-61 46031/435 1969.02 1986.12 いず 売却 貨物機DC-8-61Fに改修
現ABXエア N847AX
JA 8039 JAA DC-8-61 46032/436 1969.02 1986.05 つくば 売却 貨物機DC-8-61Fに改修
現ABXエア N848AX
JA 8041 JAL DC-8-61 46099/507 1970.01 1981.06 はくさん 売却 DC-8-71に改修
ザンビア航空 9J-AFL 整備保存
JA 8042 JAL DC-8-61 46127/510 1970.02 1986.11 びわ 売却 貨物機DC-8-61Fに改修
カリッタエア N814CK 事故抹消
JA 8043 JAL DC-8-61 46128/514 1970.02 1980.05 なす 売却 サウジアラビア航空 N913R 事故抹消
JA 8045 JAL DC-8-61 46157/541 1970.12 1988.01 のと 売却 貨物機DC-8-61Fに改修
現ABXエア N845AX
JA 8046 JAL DC-8-61 46158/543 1971.01 1988.01 ひえい 売却 貨物機DC-8-61Fに改修
現ABXエア N846AX
JA 8047 JAA DC-8-61 46159/544 1971.02 1986.12 あさひ 売却 貨物機DC-8-61Fに改修
現アローエア N29UA
JA 8048 JAL DC-8-61 46160/545 1971.03 1982.10 ひだか 事故抹消 1982.09.17
上海空港にて緊急着陸時にオーバーラン
JA 8049 JAL DC-8-61 45887/287 1971.05 1986.11 購入 イースタン航空 N8777 1967年製造
売却 アメリカンインターナショナル N817CK 解体
JA 8050 JAA DC-8-61 45848/285 1971.06 1988.01 購入 イースタン航空 N8778 1967年製造
売却 貨物機DC-8-61Fに改修
ABXエア N844AX 整備保存
JA 8057 JAL DC-8-61 45982/345 1970.03 1984.01 購入 イースタン航空 N8769 1968年製造
売却 ネーションエア C-GMXQ 事故抹消
JA 8058 JAL DC-8-61 45942/349 1971.05 1986.11 購入 イースタン航空 N8773 1968年製造
売却 貨物機DC-8-61Fに改修
ファインエア N27UA 事故抹消
JA 8059 JAL DC-8-61 45943/359 1971.04 1984.01 購入 イースタン航空 N8772 1968年製造
売却 ネーションエア C-GMXB 解体
JA 8060 JAL DC-8-61 45888/290 1973.06 1986.01 購入 イースタン航空 N8776 1967年製造
売却 貨物機DC-8-61Fに改修
ファインエア N30UA 整備保存
JA 8061 JAL DC-8-61 45889/291 1973.07 1982.03 購入 イースタン航空 N8775 1967年製造
事故抹消 1982.02.09
羽田空港着陸進入中に逆噴射し墜落
N 8767
JA 8067
JAL DC-8-61 45992/360 1971.04 1981.03 購入 イースタン航空 N8767 1968年製造
売却 貨物機DC-8-61Fに改修
アエロナバスデルペルー OB-R-1222 解体
N 8768
JA 8068
JAL DC-8-61 45983/350 1970.07 1977.04 購入 イースタン航空 N8767 1968年製造
売却 貨物機DC-8-71Fに改修
エメリーワールドワイド N8177U 整備保存
N 8762 JAL DC-8-61 46038/429 1973.10 1980.01 短期リース イースタン航空 N8762
ハイチトランスエア OB-1452 整備保存
N 8763 JAL DC-8-61 46037/419 1972.09 1976.04 短期リース イースタン航空 N8763
ABXエア N853AX
N 8764 JAL DC-8-61 46017/418 1973.10 1980.03 短期リース イースタン航空 N8764
ABXエア N843AX
N 8765 JAL DC-8-61 46016/409 1972.11 1976.03 短期リース イースタン航空 N8765
ABXエア N852AX
N 8766 JAL DC-8-61 46015/405 1972.10 1976.03 短期リース イースタン航空 N8766
ABXエア N842AX

スペック
DC-8-61 (国内線)
全長 57.1 m
全幅 43.4 m
全高 12.9 m
巡航速度 876 km/h
航続距離 5,000 km
最大離陸重量 147.6 t
エンジン PW JT3D-8B 8,170 kg ×4
座席数 Y234

塗装バリエーション
日本航空 DC-8-61
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-8-61 (JA 8039) 初代塗装

参考文献

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年


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