JAL A300B2 (1980〜2006) / B4 (1986〜2006)


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機種概要

A300B2/B4はエアバスインダストリーが初めて開発した旅客機で、世界初のワイドボディ双発機である。
ヨーロッパ内の路線をターゲットにして開発したため、航続距離は短いが経済性・信頼性は非常に高い。
DC-10やトライスターより一回り細い胴体にはエコノミークラスで横8列の座席が装備され、これがA340までエアバスワイドボディとして受け継がれている。
他のワイドボディ機同様に床下には世界標準のLD-3コンテナを2列搭載でき、1列しか積めないボーイングB767に対するアドバンテージとなった。
運航乗務員3人のいわゆる「在来型」では、プロトタイプのB1型,短距離用のB2型,中距離用のB4型と3種類が製造された。
本機種はこれまでにハイテク型のA300-600Rと合わせて500機以上が生産され、世界中で飛び回っている。

1981年にTDA(東亜国内航空)が初めてのワイドボディ機として導入したB2型は、日本で初めてのヨーロッパ製ジェット機となった。
当時の主力機DC-9-41の2倍以上のキャパシティを誇り、TDAが「大手3社」の一角に切り込む上で欠かせない存在となった。
黄色・橙・赤・紺色の4色からなる塗装は本機種の導入時にエアバスから譲り受けたため、「エアバスレインボー」と呼ばれている。
1986年からはフリートとの増強と念願の国際線進出のために、航続距離がやや長いB4型を中古で8機導入した。
JA8263と8277の2機はビジネスクラスを備えた本格的な国際線機材となり、DC-10とともに海外の空港へも虹の橋を架けた。
社名はTDAからJAS(日本エアシステム)、そしてJALジャパンへと変わっていったが、機体のカラーリングは導入当時から大きく変わることなく日本各地へと翼を広げ、A300-600RやB777-200が導入された後も元気に飛び続けた。
しかし、機体の経年化のため2002年の秋から追加導入のA300-600Rと入れ替わりに引退が進み、2006年3月にラストフライト。
最後のエアバスレインボー塗装機となった本機種は、派手なセレモニーこそなかったものの26年間の活躍を無事故で締めくくった。


日本航空 A300
AIRBUS A300B2K-3C (JA 8466) 現行塗装

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 備考
JA 8237 A300B4-2C 256 1986.03 2004.06 混載機 A300C4-203から改修
売却 現イラン航空 EP-IBJ
JA 8263 A300B4-2C 151 1987.03 2004.06 購入 トランスオーストラリアン航空 VH-EAB 1981年製造
売却 現イラン航空 EP-IBI
JA 8276 A300B4-2C 169 1988.04 2002.12 購入 ハパクロイド D-AHLJ 1982年製造
売却 ルブロフジェットサポート N640RD 解体
JA 8277 A300B4-2C 174 1988.03 2002.09 購入 ハパクロイド D-AHLK 1982年製造
売却 ルブロフジェットサポート N740RD 解体
JA 8292 A300B4-2C 110 1989.04 2003.06 購入 クルゼイロ航空 PP-CLB 1980年製造
売却 フライエア TC-FLG 整備保存
JA 8293 A300B4-2C 194 1989.12 2003.05 購入 ヴァリグブラジル航空 PP-VNE 1982年製造
売却 フライエア TC-FLF 解体
JA 8369 A300B4-2C 239 1990.09 2006.05 購入 エジプト航空 SU-GAA 1983年製造
売却 現イラク政府専用機 YI-APX
B4型ラストフライト機
JA 8464 A300B2K-3C 82 1980.10 2004.04 売却 フライエア TC-FLJ 整備保存
JA 8465 A300B2K-3C 89 1980.12 2002.11 売却 ジェットサポートサービス N540RD 解体
JA 8466 A300B2K-3C 90 1980.12 2004.05 売却 現マハンエア EP-MHM
JA 8471 A300B2K-3C 160 1981.11 2006.06 売却 現マハンエア EP-MHA
B2型ラストフライト機
JA 8472 A300B2K-3C 163 1981.12 2003.05 売却 フライエア TC-FLE 整備保存
元「フレンドリーバード」
JA 8473 A300B2K-3C 176 1982.02 2004.10 売却 フライエア TC-FLM 整備保存
JA 8476 A300B2K-3C 209 1983.03 2006.02 売却 ウェルズファーゴバンク N202GA 解体
JA 8477 A300B2K-3C 244 1983.05 2006.05 売却 現マハンエア EP-MHP
JA 8478 A300B2K-3C 253 1983.06 2005.04 売却 ウェルズファーゴバンク N101GA 事故抹消
JA 8560 A300B4-2C 178 1991.12 2005.07 購入 エールフランス F-BVGS 1982年製造
売却 ウェルズファーゴバンク N104GA 解体

スペック
A300B2
(国内線)
A300B4
(国内線)
A300B4
(国際線)
全長 53.6m
全幅 44.8 m
全高 16.5 m
巡航速度 848 km/h
航続距離 2,820 km 3,480 km
最大離陸重量 137.0 t 150.0 t
エンジン GE CF6-50C2R 23,130 kg ×2
座席数 Y298 255
(C32 Y223)

塗装バリエーション
日本エアシステム A300
AIRBUS A300B2K-3C (JA 8464) 旧JAS塗装

東亜国内航空 A300
AIRBUS A300B2K-3C (JA 8465) 東亜国内航空

写真(工事中)

Part 1 (JA 8464, 8471, 8472, 8476)
Part 2 (JA 8477, 8478, 8237, 8277)
Part 3 (JA 8292, 8369, 8560)


参考文献

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2006-2007」 イカロス出版, 2006年
「旅客機型式シリーズ4 Airbus A300 & A310」 イカロス出版 2002年


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