JAL DC-8-30 (1960〜1975) / 50 (1962〜1982)


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機種概要

DC-8は、アメリカのマクドネルダグラスが開発した長距離用の中型四発機である。
1950年代、ボーイングのジェット機B707に対抗すべくターボプロップ機から方針転換することで誕生した。
4基のエンジンを主翼につり下げるウィングマウント方式は、整備製にも優れオーソドックスな機体構成となった。
本機種の開発に当たっては、DC-6BやDC-7Cでの蓄積を活用して、B707に遅れること4年の1958年に初飛行に成功した。

1960年7月、日本に初めてのジェット旅客機としてJALに32型が導入され、トップナンバーとなるJA8001をつけた。
それまでレシプロ機で運航していたJALにとっては待ちに待った新鋭機、そして長距離国際線への大飛躍を象徴する機材であった。
初期に導入した5機はターボジェットエンジンを搭載した30型で、のちにターボファンエンジンの50型に切り替えられた。
50型は巡航速度こそやや遅くなったものの、騒音が小さくなると共に燃費は格段に向上し、太平洋をノンストップで越えられる航続性能を手に入れた。
日本でも30型は年々厳しく騒音規制に対応できず1975年に全機が退役したのに対し、50型は1980年代に入っても活躍を続けた。


日本航空 DC-8-61
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-8-53 (JA 8008) 旧々塗装

日本航空 DC-8-61
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-8-32 (JA 8001) 初代塗装

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 愛称 備考
JA 8001 DC-8-32 45418/78 1960.07 1974.06 ふじ 地上訓練機として使用後解体
一部博物館展示
JA 8002 DC-8-32 45419/81 1960.07 1974.06 にっこう 売却 貨物機DC-8-32Fに改修
アメリカンジェット N420AJ 解体
JA 8003
JA 8008
DC-8-32
DC-8-53
45420/93 1960.09
1963.02
1961.07
1981.07
はこね
まつしま
1961.04.24 羽田空港にてオーバーランし大破
1963.02 修復・53型に改修しJA8008で再登録
売却 貨物機DC-8-53Fに改修
アエロナバスデルペルーOB-R-1223 解体
JA 8005 DC-8-33 45421/113 1960.11 1974.05 みやじま 売却 貨物機DC-8-33Fに改修
トランスアフリカ S9-NAB 解体
JA 8006 DC-8-33 45626/143 1961.05 1975.04 かまくら 売却 貨物機DC-8-33Fに改修
アメリカンジェット N124AJ 解体
30型ラストフライト機
JA 8007 DC-8-53 45647/168 1962.03 1981.06 よしの 売却 オーバーシーズナショナル N903R 解体
JA 8009 DC-8-53 45662/186 1963.07 1982.03 しま 売却 ミネルヴァ航空 F-GDPM 解体
50型ラストフライト機
JA 8010 DC-8-53 45651/198 1964.01 1981.07 きりしま 売却 ARCAコロンビア航空 HK-2667X 解体
JA 8011 DC-8-53 45664/206 1964.06 1981.03 とわだ 売却 ミネルヴァ航空 F-BYFM 解体
JA 8012 DC-8-53 45680/213 1964.11 1972.06 あかん 事故抹消 1972.06.14
デリー空港着陸進入中に墜落
JA 8013 DC-8-53 45681/214 1965.01 1972.10 はるな 事故抹消 1972.09.24
ムンバイ・ジェフ空港にてオーバーランし大破
JA 8014 DC-8F-55 45678/218 1965.03 1982.06 あさま 貨客混載・転換型
売却 ファインエア N55FB 解体
JA 8015 DC-8-55 45763/241 1965.11 1976.11 せと 売却 貨物機DC-8-55Fに改修
IASCO OB-1244 解体
JA 8016 DC-8-55 45764/251 1965.12 1980.07 しこつ 売却 オーバーシーズナショナル N907R 解体
JA 8017 DC-8-55 45854/278 1966.09 1980.06 ばんだい 売却 オーバーシーズナショナル N910R 解体
JA 8018 DC-8F-55 45882/282 1966.10 1980.10 いせ 貨客混載・転換型
売却 LACコロンビア HK-3979X 事故抹消
JA 8019 DC-8-55 45916/302 1967.09 1980.06 あそ 売却 オーバーシーズナショナル N915R 解体

スペック
DC-8-32 (国内線) DC-8-33 (国内線) DC-8-53 (国内線) DC-8-55 (国内線)
全長 46.0 m
全幅 43.4 m
全高 12.9 m
巡航速度 876 km/h
航続距離 7,500 km 7,200 km 8,700 km
最大離陸重量 140.7 t 143.0 t 142.9 t 147.6 t
エンジン PW JT4A-9 7,620 kg ×4 PW JT3D-8B 8,170 kg ×4
座席数 Y144

塗装バリエーション
日本航空 DC-8-61
BOEING (MCDONNELL DOUGLAS) DC-8-53 (JA 8007) 初代塗装

参考文献

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年


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