JAL B737-400 (1994〜2019)


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機種概要

B737-400は、ボーイング社が開発した短中距離用の小型双発機である。
ベストセラーになったB737-200を大幅に改良した「新世代737」のうち、胴体をストレッチした最大モデルである。
新世代737では、エンジンをこれまでのJT8Dに代えて低騒音・ハイパワーのCFM56に変更し、グラスコクピットも採用している。
胴体はB737-200から5mほど延長されて150席クラスになり、B727-200の後継機として導入した航空会社も多い。
新世代737の特徴といえば、何と言っても愛嬌のある「おむすび型エンジン」。
これはエンジンと地上のクリアランスが小さいB737の設計に、いかにして大口径のCFM56を搭載するかを考えて編み出されたものである。

現在,JALグループではJTA(日本トランスオーシャン航空)が本機種を運航している。
JTAでは、それまで主力機材として運航していたB737-200の後継として、「スカイマンタ」の愛称で1994年に導入された。
200型より一回り大きい150席のキャパシティは、沖縄と本土を結ぶ路線の新規開設や,宮古空港など設備に余裕がある離島路線の機材大型化を進めた。
JTAは自社発注の8機に加えて海外で運航されていた機体を7機購入し、2002年までに15機のフリートを確立した。
また、JAL本体でも1995年から「フラワージェット」の愛称で7機を導入し、後に新しく設立されたJALエクスプレス(JEX)へと移管された。
JEXではさらに1機を追加導入し、JTA機と共通運用機材となり日本全国へ翼を広げていった。
2006年からはJALグループの次期戦略小型機としてB737-800が導入され、2009年度から中古導入機の退役が始まった。
B737-800の増加とともに2011年にはJEXでの運用を離脱し、JALグループ自社発注の全16機がJTAフリートとして活躍した。
2013年から自社発注機の退役も始まり、ついに2019年には25年間飛び回ったスカイマンタが日本の空から完全引退となる。


日本トランスオーシャン航空 B737-400
BOEING B737-446 (JA 8996) 日本トランスオーシャン航空

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 愛称 備考
JA 8523 B737-4Q3 26603/2618 1994.06 2013.04 売却 現ニュージェンエアウェイズ HS-NGC
JA 8524 B737-4Q3 26604/2684 1995.02 2013.04 売却 現ニュージェンエアウェイズ HS-NGD
JA 8525 B737-4Q3 26605/2752 1995.09 2017.06 売却 貨物機B737-4Q3SFに改修
現コネクト航空 PR-CNC
JA 8526 B737-4Q3 26606/2898 1997.06 2014.05 売却 貨物機B737-4Q3SFに改修
現DHLベネズエラ YV573T
元「マブヤージェット」
JA 8597 B737-4Q3 27660/3043 1998.06 2016.05 売却 貨物機B737-4Q3SFに改修
現ラヤ航空 9M-RZA
元ぱいーぐる・ピカリャージェット
元「コブクロジェット」「だいじょうぶさぁー沖縄」
JA 8930 B737-4K5 27102/2394 2000.02 2011.01 購入ハパクロイド D-AHLM 1993年製造
売却 貨物機B737-4K5SFに改修
現SFエアラインズ B-2017
元「パパスアイランド4」
JA 8931 B737-429 25247/2106 2001.05 2012.11 購入 サベナベルギー航空 OO-SYD 1991年製造
売却 現オリエントタイ航空 HS-BRD
JA 8932 B737-429 25248/2120 2001.07 2012.10 購入 サベナベルギー航空 OO-SYF 1991年製造
売却 現オリエントタイ航空 HS-BRE
元「Re沖縄」
JA 8933 B737-429 25226/2104 2001.09 2011.03 購入 サベナベルギー航空 OO-SYC 1991年製造
売却 貨物機B737-429SFに改修
現SFエアラインズ B-2506
JA 8934 B737-4K5 27830/2670 2002.02 2011.02 購入 ハパクロイド D-AHLT 1994年製造
売却 貨物機B737-4K5SFに改修
現SFエアラインズ B-2883
JA 8938 B737-4Q3 29485/3085 1998.11 2018.03 売却 CSDSエアクラフト N7374C 整備保存
JA 8939 B737-4Q3 29486/3088 1999.01 2018.08 元「ジンベエジェット」
売却 CSDSエアクラフト N7378C 整備保存
JA 8940 B737-4Q3 29487/3122 1999.09 2013.11 売却 貨物機B737-4Q3SFに改修
現DHLベネズエラ YV567T
JA 8953 B737-4K5 24129/1783 1998.01 2010.07 購入ハパクロイド D-AHLP 1989年製造
売却 現アルバスター EC-LTG
元「パパスアイランド」
JA 8954 B737-4K5 24130/1827 1998.11 2010.07 購入ハパクロイド D-AHLQ 1990年製造
売却 現アルバスター EC-LNC
元「パパスアイランド3」「パパスアイランド2」
JA 8991 B737-446 27916/2718 1995.06 2017.09 コスモス 売却 貨物機B737-446SFに改修
現ロンハオ航空 B-1156
JA 8992 B737-446 27917/2729 1995.06 2018.06 リンドウ 元「さくらジンベエジェット」
売却 CSDSエアクラフト N7377S 整備保存
JA 8993 B737-446 28087/2812 1995.08 2019.06 ヒマワリ 売却 CSDSエアクラフト N7372C 整備保存
JA 8994 B737-446 28097/2907 1997.07 2018.11 ラベンダー 元「フェニックスエクスプレス」
売却 CSDSエアクラフト N7377D 整備保存
JA 8995 B737-446 28831/2911 1997.07 2019.08 カトレア ラストフライト機
売却 CSDSエアクラフト N7399C 整備保存
JA 8996 B737-446 28832/2953 1997.11 2019.01 ダリア 元「マブヤージェット」
売却 CSDSエアクラフト N7379C 整備保存
JA 8998 B737-446 28994/3044 1998.06 2019.04 ハイビスカス 売却 現アルマスリア航空 SU-TCK
JA 8999 B737-446 29864/3111 1999.06 2019.03 元「SWALジェット」
売却 現アルマスリア航空 SU-TCI

スペック
B737-400 (国内線)
V51/V55
全長 36.4 m
全幅 28.9 m
全高 11.1 m
巡航速度 798 km/h
航続距離 3,320 km
最大離陸重量 62.8 t
エンジン CFMI CFM56-3C1 10,600 kg ×2
座席数 145
(P20 Y125)

塗装バリエーション
日本トランスオーシャン航空 B737-400
BOEING B737-4Q3 (JA 8523) 日本トランスオーシャン航空

JALエクスプレス B737-400
BOEING B737-446 (JA 8991) JALエクスプレス

日本エアシステム MD-81
BOEING B737-4Q3 (JA 8524) 日本トランスオーシャン航空・旧塗装

ハーレクインエア MD-81
BOEING B737-446 (JA 8992) JALエクスプレス・旧塗装

東亜国内航空 MD-81
BOEING B737-446 (JA 8993) 旧塗装

写真(工事中)

Part 1 (JA 8523, 8524, 8991, 8992)
Part 2 (JA 8525, 8993, 8526, 8994)
Part 3 (JA 8995, 8996, 8953, 8597)
Part 4 (JA 8998, 8954, 8938, 8939)
Part 5 (JA 8999, 8940, 8930, 8931)
Part 6 (JA 8932, 8933, 8934)


参考文献

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「新・旅客機型式シリーズ3 日本のBoeing 737」 イカロス出版 2008年


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