DHC-6ツインオターは、カナダのデハビランド・カナダ(現ボンバルディア)が開発した双発ターボプロップ旅客機である。
短距離離着陸(STOL)性能に優れ、フルペイロードでも500m程度の滑走路で運用できるのが最大の特徴だ。
四角い断面で高翼配置の機体には横3列で19席が配置され、低高度で飛ぶこともあって地上の景色が楽しめる。
着陸装置はライバルのDo228やジェットストリーム31、ビーチ1900などと大きく異なり、不整地の離着陸に耐える固定式を採用している。
STOL機に特化して開発されたため、巡航速度や航続距離はレシプロ機並みとなっている。
1973年、南西航空(SWL、現日本トランスオーシャン航空)が日本のエアラインとして初めて本機種を導入した。
沖縄返還とともに日本の航空法が適用されたため、設備基準が厳しくなり与那国空港や南大東空港などでYS-11が運用できなくなった。
これらの路線に投入するため、800mの滑走路で運用できて19席のキャパシティを持つ本機種が選定された。
その後フリートは4機まで増え、北大東・粟国・多良間・波照間など当時800mだった空港に就航して離島の生活を支えてきた。
1992年にSWLから子会社の琉球エアーコミューター(RAC)へ路線とともに移管され、新たなスタートを切った。
類い希なSTOL性能を発揮してきた本機種だが、離島空港の整備が進むにつれて大型で高速なDHC-8へバトンを渡すことになった。
最後の1機JA8808は往年のサンシャインオレンジを残したまま、2002年2月にラストフライトを迎えツインオター29年の歴史に終止符を打った。
しかし2014年にはRACから沖縄の小規模離島路線を引き継いだ第一航空(DAK)が、新世代型のツインオター400を発注し10数年ぶりの復活が決まった。
BOMBARDIER (DE HAVILLAND CANADA) DHC-6-300 (JA 8790) 琉球エアーコミューター
登録記号 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
愛称 |
備考 |
JA 8790 |
DHC-6-300 |
356 |
1973.06 |
1997.07 |
さしば |
売却 貨物機 DHC-6-300Fに改修
現 アヴィアスターマンディリ PK-BRP |
JA 8796 |
DHC-6-300 |
410 |
1974.03 |
1997.11 |
ばし |
売却 インターアイランドエア VQ-TVG 事故抹消 |
JA 8802 |
DHC-6-300 |
492 |
1976.07 |
2000.08 |
あじさし |
売却 現ノースカリブーエア C-GIGK |
JA 8808 |
DHC-6-300 |
604 |
1978.10 |
2002.02 |
きんばと |
ラストフライト機
売却 現SVGエア J8-VBQ |
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DHC-6-300 (国内線) |
全長 |
15.8 m |
全幅 |
19.8 m |
全高 |
5.9 m |
巡航速度 |
286 km/h |
航続距離 |
1,278 km |
最大離陸重量 |
5.7 t |
エンジン |
PWC PT6A-27 650 SHP ×2 |
座席数 |
Y19 |
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