JAL B737-200 (1978〜2002)


本文へジャンプ
機種概要

B737-200は、ボーイング社が開発した短距離用の小型双発機である。
B707、B727に続くジェット旅客機シリーズの第三作として、短中距離の市場を席巻していたB727よりも小さなセグメントを狙うべく誕生した。
これまでに実績のあるボディを短縮して100〜120席クラスとして、JT8Dエンジンをウイングマウントで搭載した。
また、100席以上のクラスでは機長と副操縦士の2名で運航される初めての機種となった。
機内はライバルのDC-9より広く3-3の6列配置で、各部の設計に余裕があったことから航続距離延長型も生産された。

1978年、JALの子会社で沖縄県内路線を運航していたSWAL(南西航空、現JTA)はフラッグシップとして本機種を導入した。
当時は1500メートル滑走路での暫定ジェット化空港も多く、ライバルのDC-9より短い滑走路で離着陸できることが評価された。
鮮やかなサンシャインオレンジをまとった本機種は、SWALの中心路線となる那覇−宮古・石垣線で大活躍した。
86年には那覇−松山線に投入され、JALグループの先鋒として本土路線を次々と開設して活躍範囲を大いに広げていった。
90年代には先行するANAやTDA(東亜国内航空)に対抗すべく国内ローカル線を任され、その役割は現在も400型や800型によって受け継がれている。
しかしながら、本機種が搭載するJT8Dエンジンは騒音レベルが大きく、JTAは全機を低騒音の400型に入れ替えることを決定した。
ラストフライトは2002年2月9日、那覇−久米島線でJA8366が受け持ち、24年間の日本での活躍にピリオドを打った。


日本トランスオーシャン航空 B737-200
BOEING B737-2Q3 (JA 8445) 日本トランスオーシャン航空旧塗装

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 愛称 備考
JA 8250 B737-2Q3A 23481/1241 1986.07 2002.08 ウェルカムシーサー 売却 現スカイエアライン CC-CTB
JA 8282 B737-2Q3A 24103/1565 1988.06 2000.07 ピースシーサー 売却 アダムエア PK-KKP 整備保存
JA 8366 B737-205A 23469/1266 1990.05 2002.03 バンザイシーサー 購入 ブラーセン航空 LN-SUV 1986年製造
売却 ギニア航空 3X-GCM 事故抹消
ラストフライト機
JA 8443 B737-2Q3A 21476/519 1978.05 1995.05 売却 ヴァスピブラジル航空 PP-SPI 整備保存
JA 8444 B737-2Q3A 21477/545 1979.01 1982.08 事故抹消 1982.08.26
石垣空港にてオーバーランし大破炎上
JA 8445 B737-2Q3A 21478/591 1979.08 1998.06 はずかシーサー 売却 ヴァスピブラジル航空 PP-SFI 整備保存
JA 8467 B737-2Q3A 22367/706 1980.11 1999.04 うれシーサー 売却 ランエクスプレス CC-CVI 整備保存
JA 8475 B737-2Q3A 22736/896 1982.10 1999.03 ガッツシーサー 売却 ラン航空 CC-CVJ 整備保存
JA 8492 B737-2Q3A 23117/1033 1984.06 2002.08 ゆったりシーサー 売却 現スカイエアライン CC-CTD
JA 8528 B737-205A 23464/1223 1993.06 2001.06 ハイサイシーサー 購入 ブラーセン航空 LN-SUA 1986年製造
売却 現モザンビーク航空 C9-BAJ
JA 8577 B737-205A 23467/1245 1993.01 1997.12 飛んでるシーサー 購入 ブラーセン航空 LN-SUQ 1986年製造
売却 現モザンビーク航空 C9-BAO

スペック
B737-200 (国内線)
全長 30.5 m
全幅 28.4 m
全高 11.3 m
巡航速度 798 km/h
航続距離 3,470 km
最大離陸重量 52.4 t
エンジン PW JT8D-17 7,270 kg ×2
座席数 Y130

塗装バリエーション
JALエクスプレス B737-400
BOEING B737-2Q3 (JA 8443) 南西航空

参考文献

「JAL JET STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「新・旅客機型式シリーズ3 日本のBoeing 737」 イカロス出版 2008年


ご注意

写真・イラストについては著作権のみ保持しますが、利用についての制限は設けません。
正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、誤りがあれば報告していただければ幸いです。


   Copyright (C) 2002-2009 T.Takahashi All Rights Reserved.