DHC-6ツインオターは、カナダのデハビランド・カナダ(現ボンバルディア)が開発した双発ターボプロップ旅客機である。
短距離離着陸(STOL)性能に優れ、フルペイロードでも500m程度の滑走路で運用できるのが最大の特徴だ。
四角い断面で高翼配置の機体には横3列で19席が配置され、低高度で飛ぶこともあって地上の景色が楽しめる。
着陸装置はライバルのDo228やジェットストリーム31、ビーチ1900などと大きく異なり、不整地の離着陸に耐える固定式を採用している。
STOL機に特化して開発されたため、巡航速度や航続距離はレシプロ機並みとなっている。
日本では南西航空(SWL、現日本トランスオーシャン航空)に続いて、1974年に日本近距離航空(NKA、現エアーニッポン)が導入した。
NKAとして初めての機材となったツインオターは丘珠−稚内−利尻と新潟−佐渡で運航を始めた。
短い800mの滑走路でも余裕を持って運用でき、船舶が運航できない荒天でも飛べる頼もしさを発揮していた。
1980年に新潟−佐渡線が廃止されたことに伴って1機が海外へ売却され、残る2機は北海道で運航を続ける。
その後、NKAはYS-11やB737-200をANAから移管される形でフリートに加え、ANAグループの地方路線を担う中核会社へと成長していく。
1994年には新しく第三セクターで設立されたエアー北海道(ADK)に移籍、稚内−利尻・礼文、函館−奥尻で運用される。
しかしながら利尻空港と奥尻空港は滑走路が延伸されてジェット機や大型ターボプロップ機の就航が可能になり、2006年にラストフライトを迎えた。
離島特有の厳しい運航環境にもかかわらず、32年にわたって無事故の安全運航を続けたことは特筆に値する。
BOMBARDIER (DE HAVILLAND CANADA) DHC-6-300 (JA 8797) エアー北海道
登録記号 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
備考 |
JA 8797 |
DHC-6-300 |
285 |
1974.03 |
2006.04 |
ADKラストフライト機
購入 エアチャーター 9V-ACL 1970年製造
売却 現モナークエンタープライズ N190GC |
JA 8798 |
DHC-6-300 |
337 |
1974.03 |
1982.08 |
売却 ネイチャーエア TI-BAF 事故抹消 |
JA 8799 |
DHC-6-300 |
420 |
1974.08 |
2003.12 |
売却 現ZIMEXアビエーション HB-LUM |
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DHC-6-300 (国内線) |
全長 |
15.8 m |
全幅 |
19.8 m |
全高 |
5.9 m |
巡航速度 |
286 km/h |
航続距離 |
1,278 km |
最大離陸重量 |
5.7 t |
エンジン |
PWC PT6A-27 650 SHP ×2 |
座席数 |
Y19 |
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