ANA B747-400 (1990〜2011) / 400D (1992〜2014)


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機種概要

B747-400はアメリカを代表する航空機メーカー、ボーイングが開発した大型旅客機である。
「ジャンボ」の愛称で知られるボーイングB747の新世代モデルとして1985年に開発がスタートした。
B747-300をベースにコクピットをハイテク化して2人乗務とし、翼端にはウィングレットを装着して航続距離を13000kmクラスまで大幅に伸ばした。
300型以前の在来型ジャンボと比べると外観ではウィングレット以外に大きな違いが見受けられないが、コクピット・キャビンをはじめとして内部は「ほぼ別物」に生まれ変わっている。
また在来型と同様に、日本国内線向けの短距離特別版といえるSRタイプも、「400D」の名称で開発された。
機体構造を強化するとともに、「トレードマーク」ともいえるウィングレットをはじめとして長距離飛行のための装備を外して重量を軽くしている。

国内線・国際線双方にB747ジャンボジェットを導入してメガエアラインの仲間入りを果たしたANAは、「テクノジャンボ」の愛称で1990年に最新鋭のB747-400を導入した。
B747-200Bに代わってアメリカ本土路線などの長距離ルートに進出した400型は12機が導入され、ANAを世界有数のメジャーキャリアに育て上げた立役者になった。
また、国内線向けにはB747SRの後継としてB747-400のSRバージョンである400D型を11機導入した。
短距離の大量輸送機材としての性格が強い400D型ではあるが、アジア路線などの短・中距離国際線にも投入できる性能を持っていて国際チャーター便などでの活躍実績もある。
ANAでは国内線・国際線の動向に応じて400型と400D型の相互改修を行い、まずは国際線の需要が伸びたことで8955と8957(現ピカチュウジャンボ)の2機がウィングレットを付けて国際線に転出した。
その後、国内線を支えていたB747SRが退役するのに伴って8955と8957は再び400D型に改修されて国内線に戻り、さらに401Aと402Aもウィングレットを外して400D型に改修している。
2007年からは増え続けるB777-300ERと入れ替わるように退役が始まり、ついに2014年3月31日にラストフライト。
44年間ありがとう、日本の旅客型ジャンボ!! そしてスカイマークのA380が日の丸大型機のバトンを受け取る日を心待ちにしたい。


全日空 B747-400
BOEING B747-481 (JA 8094) 現行塗装

全日空 B747-400D
BOEING B747-481D (JA 8099) 現行塗装

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 備考
JA 8094 B747-481 24801/805 1990.08 2007.04 売却 貨物機B747-481BCFに改修
現 エアアトランタ TF-AMP
JA 8095 B747-481 24833/812 1990.10 2008.04 売却 貨物機B747-481BCFに改修
現 アトラスエア N429MC
JA 8096 B747-481 24920/832 1991.02 2009.07 売却 現 エアアトランタ TF-AMS
JA 8097 B747-481 25135/863 1991.07 2009.10 売却 現 エアアトランタ TF-AMT
JA 8098 B747-481 25207/870 1991.08 2010.12 売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 揚子江快運 B-2437
JA 8099 B747-481D 25292/891 1992.01 2012.05 アメリカで部品取り解体
JA 8955 B747-481D 25639/914 1992.05 2008.11 国内線型 B747-481Dとして納入
国際線型 B747-481に改修
国内線型 B747-481Dに再改修
事故抹消 2008.08.03
バンコク・ドンムアン空港にて整備中に炎上
JA 8956 B747-481D 25640/920 1992.06 2012.12 アメリカで部品取り解体
元「お花ジャンボ」
JA 8957 B747-481D 25642/927 1992.07 2013.10 国内線型 B747-481Dとして納入
国際線型 B747-481に改修
国内線型 B747-481Dに再改修
アメリカで部品取り解体
元「ピカチュウジャンボ」
JA 8958 B747-481 25641/928 1992.08 2011.05 売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 マイカーゴ TC-ACG
元「ようこそジャパン」・400型ラストフライト機
JA 8959 B747-481D 25646/952 1993.01 2012.10 アメリカで部品取り解体
JA 8960 B747-481D 25643/972 1993.05 2014.03 アメリカで部品取り解体
JA 8961 B747-481D 25644/975 1993.05 2014.04 ラストフライト機
アメリカで部品取り解体
元「スヌーピー号96」
JA 8962 B747-481 25645/979 1993.06 2011.01 売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 マイカーゴ TC-ACF
元「ポケモンジェットUS」
JA 8963 B747-481D 25647/991 1993.09 2011.08 アメリカで部品取り解体
元「マリンジャンボ」
JA 8964 B747-481D 27163/996 1994.03 2011.11 アメリカで部品取り解体
元「ポケモンジェット99」
JA 8965 B747-481D 27436/1060 1995.04 2013.06 アメリカで部品取り解体
元「ポケモンジェット98」「スヌーピー号97」
JA 8966 B747-481D 27442/1066 1995.12 2014.01 アメリカで部品取り解体
JA 401A B747-481D 28282/1133 1997.11 2008.07 国際線型 B747-481として納入
国内線型 B747-481Dに改修
売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 揚子江快運 B-2435
JA 402A B747-481D 28283/1142 1998.01 2007.10 国際線型 B747-481として納入
国内線型 B747-481Dに改修
売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 揚子江快運 B-2432
JA 403A B747-481 29262/1199 1999.02 2008.06 売却 現 エアアトランタ TF-AAC
JA 404A B747-481 29263/1204 1999.03 2007.04 売却 現 アトラスエア N263SG
JA 405A B747-481 30322/1250 2000.06 2007.10 売却 現 アトラスエア N322SG

スペック
B747-400 (国際線) B747-400D
(国内線)
全長 70.7 m
全幅 64.4 m 59.9 m
全高 19.4 m
巡航速度 910 km/h
航続距離 12,370 km 3,830 km
最大離陸重量 394.6 t 271.9 t
エンジン GE CF6-80C2B1F 26,310 kg ×4
座席数 287
(F10 C75 P20 Y182)
323
(F10 C61 P24 Y228)
565
(F23 Y542)

写真

Part 1 (JA 8094, 8095, 8096, 8097)
Part 2 (JA 8098, 8099, 8955, 8956)
Part 3 (JA 8957, 8958, 8959, 8960)
Part 4 (JA 8961, 8962, 8963, 8964)
Part 5 (JA 8965, 8966, 401A, 402A)
Part 6 (JA 403A, 404A, 405A)


参考文献

「ANA SKY STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「新・旅客機型式シリーズ2 日本のBoeing 747-400」 イカロス出版 2008年


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