B747-400はアメリカを代表する航空機メーカー、ボーイングが開発した大型旅客機である。
「ジャンボ」の愛称で知られるボーイングB747の新世代モデルとして1985年に開発がスタートした。
B747-300をベースにコクピットをハイテク化して2人乗務とし、翼端にはウィングレットを装着して航続距離を13000kmクラスまで大幅に伸ばした。
300型以前の在来型ジャンボと比べると外観ではウィングレット以外に大きな違いが見受けられないが、コクピット・キャビンをはじめとして内部は「ほぼ別物」に生まれ変わっている。
また在来型と同様に、日本国内線向けの短距離特別版といえるSRタイプも、「400D」の名称で開発された。
機体構造を強化するとともに、「トレードマーク」ともいえるウィングレットをはじめとして長距離飛行のための装備を外して重量を軽くしている。
国内線・国際線双方にB747ジャンボジェットを導入してメガエアラインの仲間入りを果たしたANAは、「テクノジャンボ」の愛称で1990年に最新鋭のB747-400を導入した。
B747-200Bに代わってアメリカ本土路線などの長距離ルートに進出した400型は12機が導入され、ANAを世界有数のメジャーキャリアに育て上げた立役者になった。
また、国内線向けにはB747SRの後継としてB747-400のSRバージョンである400D型を11機導入した。
短距離の大量輸送機材としての性格が強い400D型ではあるが、アジア路線などの短・中距離国際線にも投入できる性能を持っていて国際チャーター便などでの活躍実績もある。
ANAでは国内線・国際線の動向に応じて400型と400D型の相互改修を行い、まずは国際線の需要が伸びたことで8955と8957(現ピカチュウジャンボ)の2機がウィングレットを付けて国際線に転出した。
その後、国内線を支えていたB747SRが退役するのに伴って8955と8957は再び400D型に改修されて国内線に戻り、さらに401Aと402Aもウィングレットを外して400D型に改修している。
2007年からは増え続けるB777-300ERと入れ替わるように退役が始まり、ついに2014年3月31日にラストフライト。
44年間ありがとう、日本の旅客型ジャンボ!! そしてスカイマークのA380が日の丸大型機のバトンを受け取る日を心待ちにしたい。
BOEING B747-481 (JA 8094) 現行塗装
BOEING B747-481D (JA 8099) 現行塗装
登録記号 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
備考 |
JA 8094 |
B747-481 |
24801/805 |
1990.08 |
2007.04 |
売却 貨物機B747-481BCFに改修
現 エアアトランタ TF-AMP |
JA 8095 |
B747-481 |
24833/812 |
1990.10 |
2008.04 |
売却 貨物機B747-481BCFに改修
現 アトラスエア N429MC |
JA 8096 |
B747-481 |
24920/832 |
1991.02 |
2009.07 |
売却 現 エアアトランタ TF-AMS |
JA 8097 |
B747-481 |
25135/863 |
1991.07 |
2009.10 |
売却 現 エアアトランタ TF-AMT |
JA 8098 |
B747-481 |
25207/870 |
1991.08 |
2010.12 |
売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 揚子江快運 B-2437 |
JA 8099 |
B747-481D |
25292/891 |
1992.01 |
2012.05 |
アメリカで部品取り解体 |
JA 8955 |
B747-481D |
25639/914 |
1992.05 |
2008.11 |
国内線型 B747-481Dとして納入
国際線型 B747-481に改修
国内線型 B747-481Dに再改修
事故抹消 2008.08.03
バンコク・ドンムアン空港にて整備中に炎上 |
JA 8956 |
B747-481D |
25640/920 |
1992.06 |
2012.12 |
アメリカで部品取り解体
元「お花ジャンボ」 |
JA 8957 |
B747-481D |
25642/927 |
1992.07 |
2013.10 |
国内線型 B747-481Dとして納入
国際線型 B747-481に改修
国内線型 B747-481Dに再改修
アメリカで部品取り解体
元「ピカチュウジャンボ」 |
JA 8958 |
B747-481 |
25641/928 |
1992.08 |
2011.05 |
売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 マイカーゴ TC-ACG
元「ようこそジャパン」・400型ラストフライト機 |
JA 8959 |
B747-481D |
25646/952 |
1993.01 |
2012.10 |
アメリカで部品取り解体 |
JA 8960 |
B747-481D |
25643/972 |
1993.05 |
2014.03 |
アメリカで部品取り解体 |
JA 8961 |
B747-481D |
25644/975 |
1993.05 |
2014.04 |
ラストフライト機 アメリカで部品取り解体
元「スヌーピー号96」 |
JA 8962 |
B747-481 |
25645/979 |
1993.06 |
2011.01 |
売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 マイカーゴ TC-ACF
元「ポケモンジェットUS」 |
JA 8963 |
B747-481D |
25647/991 |
1993.09 |
2011.08 |
アメリカで部品取り解体
元「マリンジャンボ」 |
JA 8964 |
B747-481D |
27163/996 |
1994.03 |
2011.11 |
アメリカで部品取り解体
元「ポケモンジェット99」 |
JA 8965 |
B747-481D |
27436/1060 |
1995.04 |
2013.06 |
アメリカで部品取り解体
元「ポケモンジェット98」「スヌーピー号97」 |
JA 8966 |
B747-481D |
27442/1066 |
1995.12 |
2014.01 |
アメリカで部品取り解体 |
JA 401A |
B747-481D |
28282/1133 |
1997.11 |
2008.07 |
国際線型 B747-481として納入
国内線型 B747-481Dに改修
売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 揚子江快運 B-2435 |
JA 402A |
B747-481D |
28283/1142 |
1998.01 |
2007.10 |
国際線型 B747-481として納入
国内線型 B747-481Dに改修
売却 貨物機B747-481BDSFに改修
現 揚子江快運 B-2432 |
JA 403A |
B747-481 |
29262/1199 |
1999.02 |
2008.06 |
売却 現 エアアトランタ TF-AAC |
JA 404A |
B747-481 |
29263/1204 |
1999.03 |
2007.04 |
売却 現 アトラスエア N263SG |
JA 405A |
B747-481 |
30322/1250 |
2000.06 |
2007.10 |
売却 現 アトラスエア N322SG |
|
B747-400 (国際線) |
B747-400D
(国内線) |
全長 |
70.7 m |
全幅 |
64.4 m |
59.9 m |
全高 |
19.4 m |
巡航速度 |
910 km/h |
航続距離 |
12,370 km |
3,830 km |
最大離陸重量 |
394.6 t |
271.9 t |
エンジン |
GE CF6-80C2B1F 26,310 kg ×4 |
座席数 |
287
(F10 C75 P20 Y182) |
323
(F10 C61 P24 Y228) |
565
(F23 Y542) |
Part 1 (JA 8094, 8095, 8096, 8097)
Part 2 (JA 8098, 8099, 8955, 8956)
Part 3 (JA 8957, 8958, 8959, 8960)
Part 4 (JA 8961, 8962, 8963, 8964)
Part 5 (JA 8965, 8966, 401A, 402A)
Part 6 (JA 403A, 404A, 405A)
「ANA SKY STORY」 イカロス出版, 2009年
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「新・旅客機型式シリーズ2 日本のBoeing 747-400」 イカロス出版 2008年
写真・イラストについては著作権のみ保持しますが、利用についての制限は設けません。
正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、誤りがあれば報告していただければ幸いです。
|