B767-200は、ボーイングが旧世代のB707/B727の後継として開発した中型双発機で、弟分のナローボディ機B757と並行して開発が進められた。
B757とともにボーイングの旅客機としては初めてグラスコクピットが搭載され、従来は小型機のみだった機長・副操縦士の2人乗務が可能になった。
B767の胴体は「セミワイドボディ」と呼ばれA300より1まわり細く、床下貨物室のキャパシティが小さくコンテナは1列しか積めない。
しかしながら座席は横7列が標準で、そのうち中央を除いた6列が窓側もしくは通路側となるため乗客からの評判は高い。
「北海道の翼」として、航空規制緩和の波に乗って誕生した北海道国際航空(エアドゥ)。
しかしながら運航路線は幹線の羽田−千歳線だけ、決して「道民みんなの翼」というわけではなかった。
そんな状況が少しずつ変わり始めたのは、経営再建のためにANAから支援を受けていた2003年。
ANAが羽田−旭川線から撤退するのを受けて、エアドゥが路線を引き継ぐことになったのだ。
機材はB767-300ERよりも一回り小型の本機種が選ばれ、ANAで使われていたJA8251をリースで導入することになった。
8251は1日2往復の旭川線を飛ぶ傍ら、千歳線にも就航してエアドゥの中でも欠かせない存在になっていた。
しかし、2005年6月にリース期間が満了になってANAに返却され、後をB737-400に託してエアドゥでの活躍に終止符を打った。
わずか2年という短い期間だったが、「あさひかわ」のロゴを背負って飛んでいた8251。
エアドゥが函館線・女満別線と積極的に路線を展開し、真の「北海道の翼」に成長していったのは、このB767-200がいたからこそといっていい。
BOEING B767-281 (JA 8251) 現行塗装
登録記号 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
備考 |
JA 8251 |
B767-281 |
23431/143 |
2003.07 |
2005.07 |
購入 全日空 JA8251 1986年製造
売却 貨物機B767-281SFに改修
現ABXエア N798AX |
|
B767-200 |
全長 |
48.5 m |
全幅 |
47.6 m |
全高 |
15.9 m |
巡航速度 |
880 km/h |
航続距離 |
4,040 km |
最大離陸重量 |
120.9 t |
エンジン |
GE CF6-80A 21,7700 kg ×2 |
座席数 |
Y234 |
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「新・旅客機型式シリーズ5 日本のBoeing 767」 イカロス出版 2008年
写真・イラストについては著作権のみ保持しますが、利用についての制限は設けません。
正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、誤りがあれば報告していただければ幸いです。
|