B737-500は、アメリカのボーイング社が開発した小型双発機B737シリーズの第2世代にあたるモデルである。
ボーイングは、ライバルであるエアバスのA320やマクドネルダグラスのMD-80に対抗するため、B737を大幅に改良して「新世代モデル」の300〜500型を開発した。
エンジンを新開発のCFM56に変更して騒音を低減し、コクピットもハイテク化されたグラスコクピットになっている。
胴体は200型からストレッチせず、新世代737で最小モデルとなる120席クラスの機材だ。
小型で機体重量が軽い分パワーウェイトレシオに優れ、B737シリーズでも飛び抜けた離着陸性能を誇る。
国内の機材では採用されていないが、燃料タンクをフルに使うと5000kmを超える航続性能を持ち、海外ではウィングレットを取り付けた例もある。
本機種は2008年にエアーニッポンから移籍する形で新しく北海道国際航空(エア・ドゥ)のフリートに加わった。
初号機はANKでも導入初号機にあたるJA8404で、ANK時代と変わらぬ126席仕様になっている。
最初はまさに「予備機材」としての運用だったが、次第に貴重な「最小機材」として活躍を始めた。
季節や曜日により需要が非常に大きく変わる女満別線、そしてJAL・SKYと競争過熱気味の旭川線、羽田以外の本州と新千歳を結ぶ路線…B737-500の機動性が求められる場面は数多くある。
2012年になると後継機としてANAからB737-700の移籍が始まり、2013年には初号機8404がANAに復帰する形でADOのフリートを離れた。
一番の小粒ながら、ADOの新路線展開に欠かせない功労機として、長く語り継がれる存在になるだろう。
BOEING B737-54K (JA 8404) 現行塗装
登録記号 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
座席仕様 |
備考 |
JA 8196 |
B737-54K |
27966/2824 |
2009.03 |
2014.03 |
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購入 エアーニッポン JA8196 1996年製造
国内移籍(復帰) 現ANAウイングス JA8196
元ベア・ドゥ号 |
JA 8404 |
B737-54K |
27381/2708 |
2008.01 |
2013.01 |
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購入 エアーニッポン JA8404 1995年製造
国内移籍(復帰) 現ANAウイングス JA8404 |
JA 8504 |
B737-54K |
27432/2783 |
2008.09 |
2015.03 |
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購入 エアーニッポン JA8504 1996年製造
国内移籍(復帰) 現ANAウイングス JA8504 |
JA 8595 |
B737-54K |
28461/2850 |
2008.11 |
2016.01 |
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購入 エアーニッポン JA8595 1997年製造
国内移籍(復帰) 現ANAウイングス JA8595 |
JA 300K |
B737-54K |
27434/2872 |
2008.05 |
2016.01 |
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購入 エアーニッポン JA300K 1997年製造
国内移籍(復帰) 現ANAウイングス JA300K |
JA 301K |
B737-54K |
27435/2875 |
2009.09 |
2014.03 |
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購入 エアーニッポン JA301K 1997年製造
国内移籍(復帰) 現ANAウイングス JA301K |
JA 305K |
B737-54K |
28993/3075 |
2011.03 |
2014.12 |
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購入 エアーニッポン JA305K 1998年製造
国内移籍(復帰) 現ANAウイングス JA305K
元ドリーム号 |
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B737-500 |
全長 |
31.0 m |
全幅 |
28.9 m |
全高 |
11.1 m |
巡航速度 |
810 km/h |
航続距離 |
2,000 km |
最大離陸重量 |
53.0 t |
エンジン |
CFMI CFM56-3C1 9,070 kg ×2 |
座席数 |
Y126 |
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年 「新・旅客機型式シリーズ3 日本のBoeing 737」 イカロス出版 2008年
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