B767-300は、ボーイングがB767-200のストレッチ型として開発した250席クラスの中型双発機である。
三発ワイドボディ機のすぐ下に位置する手頃なキャパシティと、幅広い路線に投入できる汎用性によってベストセラーになった。
B767シリーズには他に200型、400型といったバリエーションがあるが、その中でも突出して生産数が多いのが本機種300型となっている。
現在では、燃料タンクの増設と高性能エンジンの装備で航続距離を延長した改良型のB767-300ERが生産されている。
1998年、航空規制緩和で日本に新しく誕生した「スカイマークエアラインズ」。
当時の大手3社(JAL・ANA・JAS)の独占体制に終止符を打ち、低運賃の競争が始まった。
就航にあたっては300ER型を2機導入し、幹線の羽田−福岡からスタートした。
基本仕様では横7列の本機種であるが、スカイマークでは低運賃を実現するためにヨーロッパのチャーターエアラインで一般的な横8列配置を採用した。
その一方で「シグナスクラス」と呼ばれるスーパーシートも設定しビジネス客の取り込みも狙った。
最盛期には6機の体制を構築して日本第3の航空会社に成長する原動力となった。
しかしながら2005年の羽田−神戸線開設以来弟分のB737-800が取って代わり、本機種は2009年にすべて引退となった。
しばらく小型機のみのフリート構成が続いたが、2014年にはA330-300が導入され実質的後継機として中型機が復活した。
BOEING B767-3Q8ER (JA 767A) 現行塗装
登録記号 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
座席仕様 |
備考 |
JA 767A |
B767-3Q8ER |
27616/714 |
1998.08 |
2008.06 |
|
売却 現ロシヤ航空 EI-EAR
元「ヤマト車検」「Yahoo! JAPAN」「DirecTV」 |
JA 767B |
B767-3Q8ER |
27617/722 |
1998.10 |
2008.08 |
|
売却 現ロシヤ航空 EI-ECB
元「USEN」「J-PHONE」「Microsoft」 |
JA 767C |
B767-3Q8ER |
29390/870 |
2002.03 |
2008.01 |
|
売却 現ロシヤ航空 EI-DZH |
JA 767D |
B767-36NER |
30847/902 |
2003.09 |
2009.10 |
|
(レキオス航空 JA01LQ キャンセル)
売却 現タイタン航空 G-POWD |
JA 767E |
B767-328ER |
27427/579 |
2004.12 |
2007.09 |
|
購入 ロイヤルブルネイ航空 V8-RBN 1995年製造
売却 現ヴァリグブラジル航空 PR-VAN |
JA 767F |
B767-38EER |
30840/829 |
2005.03 |
2009.04 |
|
購入 アシアナ航空 HL7595 2001年製造
売却 現ジェットエアフライ OO-JAP |
|
B767-300ER |
全長 |
54.9 m |
全幅 |
47.6 m |
全高 |
15.9 m |
巡航速度 |
880 km/h |
航続距離 |
9,630 km |
最大離陸重量 |
138.7 t |
エンジン |
GE CF6-80C2B6F 27,900 kg ×2 |
座席数 |
Y265 |
Part 1 (JA 767A, 767B, 767C)
Part 2 (JA 767D, 767E, 767F)
「日本のエアライン2008-2009」 イカロス出版, 2008年
「新・旅客機型式シリーズ5 日本のBoeing 767」 イカロス出版 2008年
写真・イラストについては著作権のみ保持しますが、利用についての制限は設けません。
正確な情報を掲載するよう心がけておりますが、誤りがあれば報告していただければ幸いです。
|