DHC-8は、カナダのボンバルディア社が開発した双発ターボプロップ旅客機である。
50席クラス四発のDHC-7と19席クラス双発のDHC-8の間を埋めるモデルとして、STOL性能と高速巡航を高次元でバランスするべく開発がスタートした。
DHC-7と共通の胴体断面を受け継いでいるが、機首部分の形状やキャビン設備など様々な改良が行われている。
座席は2-2配置の横4列で39席が標準となり、ATR42やSAAB340Bなどがライバルとなる。
本機種は高翼機であるためすべての窓側席から地上の風景が一望できるのが大きな特徴だ。
DHC-6/7譲りの離着陸性能はもちろん健在で、海外では800m滑走路での運用も日常的に行われている。
JALグループの琉球エアーコミューター(別記事で解説)に続いて、本機種を日本では2社の地域コミューターエアラインが導入した。
1999年、天草空港のオープンとともに就航した天草エアライン(AMX)は、ただ1機のシップとして100型を運航していた。
AMXの機体塗装は地元の小学生が考案したもので、波の上を躍るイルカがモチーフだ。
すでに生産終了した機種のため、2016年には後継機として導入されたATR42にバトンを渡した。
2001年には長崎航空(NGK)が日本で3社目のオペレーターとして200型を導入した。
合わせて社名をオリエンタルエアブリッジ(ORC)に変更し、アイランダーの4倍というキャパシティを活用し各地に路線を広げている。
200型は100型の胴体と300型のエンジンを組み合わせたもので、100型に比べて高温・高地での性能が向上している。
BOMBARDIER DHC-8-Q201 (JA 801B オリエンタルエアブリッジ)
BOMBARDIER DHC-8-103 (JA 81AM 天草エアライン) 旧塗装
BOMBARDIER DHC-8-103 (JA 81AM 天草エアライン) 旧塗装
登録記号 |
運航会社 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
座席仕様 |
備考 |
JA 801B |
ORC |
DHC-8-Q201 |
566 |
2001.03 |
|
Y39 |
|
JA 802B |
ORC |
DHC-8-Q201 |
579 |
2001.12 |
|
Y39 |
|
JA 81AM |
AMX |
DHC-8-Q103 |
537 |
1999.11 |
2016.06 |
Y39 |
売却 現フライバイキング LN-FVC |
|
DHC-8-200 (ORC) |
DHC-8-100 (AMX) |
全長 |
22.3 m |
全幅 |
25.9 m |
全高 |
7.5 m |
巡航速度 |
537 km/h |
502 km/h |
航続距離 |
1,859 km |
1,917 km |
最大離陸重量 |
16.5 t |
14.9 t |
エンジン |
PWC PW123C 2,150 SHP ×2 |
PWC PW121 2,150 SHP ×2 |
座席数 |
Y39 |
「日本のエアライン2009-2010」 イカロス出版, 2009年
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