FFC BN-2B (2009〜2017) / NJA BN-2B (2011〜)
CUK BN-2A/B (1972〜) / ORC BN-2A/B (1979〜2006)
KOK BN-2B (1995〜2008) / ADC BN-2B (1991〜2009)


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機種概要

BN-2A/Bは、イギリスのブリテンノーマン社が開発したレシプロ双発の多目的機である。
コミューターエアラインの最小機材として離島路線を中心に運航されるほか、貨物用や軍用にも多数が活躍する。
基本的に機長1名で運航され、満席時には副操縦士席も客席として使用することで定員は9名となる。
ドルニエDo228やDHC-6ツインオターといった19席機材とは異なり、機内には通路がなく列ごとにドアが用意されるのが特徴だ。
直線翼にレシプロエンジンを装備し、着陸装置も固定式とするなど簡素かつ頑強な構造になっている。
離着陸性能にも非常に優れ、海外では600mクラスの短い滑走路でも日常的に運用されている。

日本のエアラインでは、調布空港を本拠に伊豆諸島路線を運航する新中央航空(CUK)が1972年に本機種を初めて導入した。
CUKは後にN24Aノーマッド、そして最近ではDo228といったターボプロップ機を運航しているが、本機種も定期便や臨時増便で大いに活躍してきた。
続いて1979年には長崎航空(NGK、現オリエンタルエアブリッジORC)が導入し、2006年まで長崎県の離島と長崎・福岡空港を結ぶ路線に投入していた。
1995年には新潟−佐渡線に旭伸航空(KOK)が参入し、トキのデザインをまとって運航されていたが2008年に路線ごと運航廃止となってしまった。
また沖縄では使用事業会社のエアードルフィン(ADC)が本機種で不定期運航を行っていたが、こちらも親会社の倒産で2009年に運航を停止している。
その後、ADCや琉球エアーコミューター(RAC)の小規模路線を引き継ぐべく2009年に大阪の第一航空(FFC)が名乗りを上げた。
FFCは3機のフリートで那覇−粟国と那覇−沖永良部−徳之島に就航しており、現在では本機種を運航する唯一のエアラインとなっている。


新日本航空 BN-2B
B-N GROUP BN-2B-20 (JA 80CT) 新日本航空

第一航空 BN-2B
B-N GROUP BN-2B-20 (JA 5324) 第一航空

フリートリスト
登録記号 運航会社 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 座席仕様 備考
JA 5195 CUK BN-2A-2 302 1972.08 2004.01 売却 現バリアリーシングVH-BSL
JA 5218 CUK BN-2A-2 344 1973.11 1999.09 売却 現マウンテンエア ZK-PIY
JA 5241 CUK BN-2A-21 411 1974.12 1989.07 売却 パシフィックサン DQ-FES 解体
JA 5255 CUK BN-2A-20 521 1976.08 1989.03 売却 現キムエア VH-VPC
JA 5261 NAW BN-2A-26 2012 1979.03 1994.10 売却 (ニュージーランド) ZK-PIZ
JA 5265 NAW BN-2A-26 856 1980.03 1995.12 売却 ノーザンエアサービス DQ-JJS
JA 5268 NAW BN-2A-21 759 1981.05 1990.01 売却 グレートバリア航空 ZK-KTR 解体
JA 5270 CUK BN-2A-26 909 1981.07 1998.04 解体
JA 5281 ADC BN-2B-26 2154 2007.12 2009.05 購入 琉球エアーコミューター JA5281
売却 現オーストラリアエアフェリー VH-YIE
JA 5284 ORC BN-2B-26 2037 1987.04 2001.11 売却 (デンマーク)
JA 5285 NAW BN-2B-26 2038 1987.05 1994.04 売却 現ウィンエア PJ-AIW
JA 5290 CUK BN-2B-20 2172 1988.05 2007.12 売却 (バヌアツ)
JA 5298 ORC BN-2B-26 2209 1989.10 2001.08 売却 現ヴェストマンアイヤ航空 TF-VEJ
JA 5305 CUK BN-2B-20 2239 1991.06 2012.04 売却 (イギリス)
JA 5306 ADC BN-2B-26 2236 1991.09 2008.07 用途廃止?
JA 5316 ORC BN-2B-20 2240 1993.05 2006.06 売却 現コーマックエアクラフト G-BSPT
JA 5318 ORC BN-2B-20 2267 1994.06 2006.05 売却 現コーマックエアクラフト G-BUBJ
JA 5319 CUK BN-2B-20 2268 1995.06 売却 (イギリス)
JA 5320 CUK
ADC
BN-2B-20 2269 1994.12
2002.11
2002.11
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Y9
JA 5321 KOK BN-2B-20 2272 1995.08 2008.12 売却 LFH D-ILFC 事故抹消
JA 5322 NAW BN-2B-20 2285 1995.11 1996.02 事故抹消 1996.02.09
福岡県の山地に墜落
JA 5323 ORC BN-2B-20 2291 1996.07 2006.01 売却 現エアセントバース F-OIJU
JA 5324 FFC BN-2B-20 2297 2009.08 2017.10 購入 琉球エアーコミューター JA5324
売却(情報収集中)
JA 5325 FFC BN-2B-20 2298 2009.04 2017.10 購入 琉球エアーコミューター JA5325
売却(情報収集中)
JA 127D FFC BN-2B-20 2282 2009.05 2017.10 購入 オーストラリア税関 VH-ZZW 1995年製造
新日本航空に一時リース
売却(情報収集中)
JA 80CT NJA BN-2B-20 2234 2011.10 Y9 購入 イギリス警察 G-CHEZ 1992年製造
JA 02TY KOK BN-2B-20 2296 2002.01 2008.12 売却 現LFH D-ILFD

スペック
BN-2A/2B
全長 10.9 m
全幅 14.9 m
全高 4.2 m
巡航速度 232 km/h
航続距離 500 km
最大離陸重量 3.0 t
エンジン Lycoming IO-540K1B5 300 SHP ×2
座席数 Y9

参考文献

「日本のエアライン2010-2011」 イカロス出版, 2010年


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