TSQ Beech1900D (2004〜2009) / ORJ Beech1900C-F (2003〜2004)


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機種概要

ビーチ1900は、アメリカのレイセオンエアクラフトが製造していた双発ターボプロップ機である。
基本となる1900C型は、ビジネス機のキングエアを元に胴体を延長してコミューター旅客機として開発された。
1982年に初飛行したC型は小型コミューター機として一般的な19席クラスであり、ジェットストリーム31と同様にキャビン与圧を装備する。
そのため、与圧のないダッシュ6ツインオターやドルニエ228と比較すると高高度で快適な巡航が可能である。
1991年には1900D型が導入され、C型の弱点であった細い胴体を高さ方向に広げてキャビンを直立して移動できるようにした。
またグラスコクピットの実装やエンジンの出力アップといったバージョンアップが施された機体だ。
D型はウィングレットをはじめテイルレットやスタビロンといった各種の小翼が所狭しと付いて、一目でビーチと分かる独特の外観になっている。
旅客向けは快適性で勝るD型が主流になり、現在ではC型は貨物機に改修されているものも多い。

2003年に日本で初めてのビーチ1900オペレーターとなったのが「オレンジカーゴ」である。
貨物機改修されたC型を4機導入して羽田と長崎・鹿児島を結ぶ国内貨物路線に就航した。
しかし貨物需要は予想を下回り、半年余りで経営に行き詰まって2004年春には運航停止、撤退となってしまった。
その後、2005年3月、北海道に新しいコミューターエアライン「エアトランセ」が就航した。
北海道ではJAL・ANAの両グループが新千歳と丘珠をベースにハブ&スポークのネットワークを構築していたが、エアトランセはSAAB340Bよりも小型のD型を使って地方都市間を結ぶ路線に参入した。
エアトランセは陸路で6時間かかっていた函館−帯広を1時間で結び、さらに機材を3機まで増やして新千歳や女満別に就航するなど順調なスタートを切ったように見えた。
しかしながら2007年に入ると搭乗率の伸び悩みなどにより定期路線から撤退し、「乗り合いチャーター便」という形で運航を継続することになった。
その後の路線展開は那覇−下地島・沖永良部・大分や函館−仙台と数ヶ月単位で次々に変わっていて、まさに暗中模索の迷走状態が続いた。
2008年にはすべての旅客・貨物運航を停止し、航空機レンタル事業へ転換することとなりわずか3年でエアラインとしての歴史に幕を下ろした。


エアトランセ Beech1900D
RAYTHEON BEECH 1900D (JA 016A) エアトランセ

オレンジカーゴ Beech1900C-F
RAYTHEON BEECH 1900C-F (JA 190A) オレンジカーゴ

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 備考
JA 016A Beech1900D UE-75 2004.08 2007.04 購入 メサ航空 N75ZV 1994年製造
売却 現ワサヤ航空 C-FQWA
JA 017A Beech1900D UE-252 2005.12 2009.09 購入 Rラインズ航空 F-GSWD 1997年製造
売却 現ノーザンエアチャーター C-GNAR
JA 018A Beech1900D UE-388 2006.09 2007.12 購入 コミュートエア N845CA 1999年製造
売却 現イーグル航空 ZK-EAR
JA 190A Beech1900C-F UC-151 2003.07 2004.07 購入 レイセオンビーチ N151YV 1991年製造
売却 現アメリフライト N34RZ
JA 190B Beech1900C-F UC-106 2003.08 2004.07 購入 レイセオンビーチ N106YV 1990年製造
売却 現アメリフライト N21RZ
JA 190C Beech1900C-F UC-75 2003.09 2004.07 購入 レイセオンビーチ N75YV 1989年製造
売却 現アメリフライト N19RZ
JA 190D Beech1900C-F UC-134 2003.10 2004.07 購入 レイセオンビーチ N134YV 1990年製造
売却 現アメリフライト N26RZ

スペック
Beech1900D Beech1900C-F
全長 17.6 m
全幅 17.6 m 16.6 m
全高 4.7 m 4.5 m
巡航速度 518 km/h 495 km/h
航続距離 2,680 km 2,900 km
最大離陸重量 7.8 t 7.5 t
エンジン PWC PT6A-67D 1,280 SHP ×2 PWC PT6A-65B 1,100 SHP ×2
座席数 Y18 Cargo

参考文献

「日本のエアライン2010-2011」 イカロス出版, 2010年


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