NCA B747-200F (1984〜2008) / SRF (1993〜2006)


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機種概要

ボーイングB747-200Fは、アメリカの航空機メーカーであるボーイングが開発した4発大型貨物機である。
今でも大型旅客機の代名詞として広く知られるジャンボ機ことB747は、貨物機として開発が始められた経緯もあり貨物搭載が非常に合理的だ。
普段は主翼後方左舷にあるサイドカーゴドアを使用し、コンテナやパレットなどの定形貨物であれば混み合った空港でも効率的に運用できる。
またコクピットが2階に設置されていることから機首部分にもノーズカーゴドアが設置され、長尺貨物の搭載に大きな威力を発揮する。
また300型や400型が開発され旅客型・貨客混載型の主力が移ると、これらから貨物型に改修されて長期間にわたり運用されている。

1978年、ANAと日本郵船を初めとする海運会社数社により日本初の国際貨物エアラインである日本貨物航空(NCA)は誕生した。
45/47体制で国内線に縛られている親会社のANAよりも早く、JALに続く国際定期便運航会社となるNCAは苦難の船出だった。
特にアメリカとの航空交渉は困難を極め、運航機材である本機種の発注は1983年、就航は1985年にまでずれ込んだ。
しかし就航後のNCAは飛躍的な発展を遂げ、瞬く間に6機の新造機フリートを擁するまでになった。
7番機以降は本機種の生産が終了したため、ANAからB747SRやB747-200を移籍させて貨物機に改修し運用した。
2000年代に入ると機材の新世代化でB747-400Fの導入が進められ、2006年から順次引退が始まった。
2008年に元ANAのJA8181がラストフライトを務め、NCAのフリートはB747-400Fで統一されたとともにANAからの完全独立を果たした。


日本航空 B747-400D
BOEING B747-281F (JA 8167) 現行塗装

フリートリスト
登録記号 型式 製造番号 登録年月 抹消年月 備考
JA 8158 B747SR-81F 22711/559 1993.12 2006.02 購入 全日空 JA8158 1982年製造
貨物機 B747SR-81Fに改修
売却 現ヴェルティル航空 EK-74711
JA 8167 B747-281F 23138/604 1984.12 2006.09 売却 現サザンエア N758SA
JA 8168 B747-281F 23139/608 1985.03 2006.04 売却 現ユーレックスカーゴ 4L-KMK
JA 8172 B747-281F 23350/623 1985.10 2007.11 売却 現ジェットエイト 9V-JEB
JA 8181 B747-281SF 23698/667 1999.05 2008.03 購入 全日空 JA8181 1986年製造
貨物機 B747-281SFに改修・ラストフライト機
売却 タイガーエアクラフト N288RF 整備保存
JA 8182 B747-281SF 23813/683 1999.05 2008.03 購入 全日空 JA8182 1987年製造
貨物機 B747-281SFに改修
売却 タイガーエアクラフト N283RF 整備保存
JA 8188 B747-281F 23919/689 1988.01 2008.02 売却 現サザンエア N783SA
JA 8190 B747-281SF 24399/750 2002.04 2008.03 購入 全日空 JA8190 1989年製造
貨物機 B747-281SFに改修
売却 タイガーエアクラフト N281RF 整備保存
JA 8191 B747-281F 24576/818 1990.11 2007.01 売却 現エアブリッジカーゴ VP-BII
JA 8192 B747-2D3SF 22579/514 1997.08 2007.04 購入 全日空 JA8192 1981年製造
貨物機 B747-2D3SFに改修
売却 現ジェットエイト 9V-JEA
JA 8194 B747-281F 25171/886 1991.11 2007.01 売却 現エアブリッジカーゴ VP-BIJ
B747クラシック製造最終号機

スペック
B747-200F B747SRF
全長 70.7 m
全幅 59.6 m
全高 19.3 m
巡航速度 916 km/h
航続距離 7,778 km 5,741 km
最大離陸重量 378.2 t 340.5 t
エンジン GE CF6-50E2 23,810 kg ×4
最大搭載量 112.0 t

参考文献

「日本のエアライン2009-2010」 イカロス出版, 2009年


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