B747-400Fはアメリカを代表する航空機メーカー、ボーイングが開発した大型貨物機である。
「ジャンボ」の愛称で知られるボーイングB747は貨物機としても非常に人気が高く、その新世代モデルとして1985年に開発がスタートした。
B747-200Fをベースにコクピットをハイテク化して2人乗務とし、翼端にはウィングレットを装着して航続距離や搭載量を大幅に伸ばした。
旅客型や貨客混載型はアッパーデッキが延長された300型をベースに開発している一方で、貨物型ではアッパーデッキが貨物搭載に適さないばかりか天井高の問題で妨げとなるためオリジナルボディが採用されている。
貨物搭載用のドアは後部胴体左側に取り付けられたサイドカーゴドアに加え、長尺貨物の搭載に用いられる機首部分のノーズカーゴドアを装備する。
近年では旅客型や貨客混載型から貨物型に改修される機体も多く、ボーイング純正プログラムであるBCFや公認の社外プログラムであるBDSFと呼ばれる機体が増えている。
BCF/BDSFは搭載量こそ当初から貨物型として生産された機体にかなわないが、B747-200Fと比較して高性能の機体を安価に手に入れられることから採用するエアラインが増えている。
これまでB747-200Fを使っていたNCAでは、機材の増強と新世代化を兼ねて本機種を10機発注し、2005年から運航を開始した。
NCAでは初めてとなるシップネームが採用され、初号機JA01KZは「NCA Pleiades(プレアデス)」と名付けられた。
本機種の導入をきっかけにNCAでは会社の体制も大きく変わり、日本郵船の連結子会社となりANAグループから離脱した。
その関係もあり、ANAグループとして発注された2号機までは「B747-481F」、独立後の3号機からは「B747-4KZ/F」と同仕様ながら型式が変わっている。
現在は発注された10機のうち8機が納入されているが、残る2機は完成したものの受領を繰り延べて提携関係にあるベルギーのカーゴB、ロシアのエアブリッジカーゴで運航されている。
折しもライバルであるJALが倒産・経営再建に伴って貨物専用機事業から撤退することとなり、NCAの本機種は日本唯一のジャンボフレイターとして新型のB747-8とともに活躍してきた。
しかし2018年に整備記録の改ざんが発覚して一時全機が運航停止となり、再始動にあたって運航規模縮小と8型への機材統一が行われたため2019年2月をもって引退となった。
BOEING B747-481F (JA 01KZ) 現行塗装
登録記号 |
型式 |
製造番号 |
登録年月 |
抹消年月 |
愛称 |
備考 |
JA 01KZ |
B747-481F |
34016/1360 |
2005.06 |
2014.08 |
Pleiades |
売却 現カリッタエア N401KZ |
JA 02KZ |
B747-481F |
34017/1363 |
2005.08 |
2013.06 |
Progress |
売却 現カリッタエア N402KZ |
JA 03KZ |
B747-4KZ/F |
34018/1378 |
2006.10 |
2014.09 |
Phoenix |
売却 現カリッタエア N403KZ |
JA 04KZ |
B747-4KZ/F |
34283/1383 |
2007.03 |
2017.08 |
Pegasus |
売却 現アトラスエア N404KZ |
JA 05KZ |
B747-4KZ/F |
36132/1394 |
2007.10 |
2019.02 |
Apollo |
売却 現アトラスエア N405KZ |
JA 06KZ |
B747-4KZ/F |
36133/1397 |
2007.12 |
2018.11 |
Antares |
売却 現カリッタエア N406KZ |
JA 07KZ |
B747-4KZ/F |
36134/1405 |
2008.05 |
2016.11 |
Andromeda |
売却 現アトラスエア N407KZ |
JA 08KZ |
B747-4KZ/F |
36135/1408 |
2008.08 |
2018.11 |
Aries |
売却 現カリッタエア N408KZ |
JA 09KZ |
B747-4KZ/ERF |
36784/1411 |
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|
Artemis |
2008.12〜2009.07 カーゴBにリース OO-CBC
2010.04 エアブリッジカーゴにリース中 VQ-BHE |
JA 10KZ |
B747-4KZ/ERF |
36785/1418 |
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Aquarius |
2009.05〜2009.07 カーゴBにリース OO-CBD
2010.07 エアブリッジカーゴにリース中 VQ-BIA |
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B747-400F |
全長 |
70.7 m |
全幅 |
64.4 m |
全高 |
19.4 m |
巡航速度 |
910 km/h |
航続距離 |
7,850 km |
最大離陸重量 |
397.0 t |
エンジン |
GE CF6-80C2B1F 23,540 kg ×4 |
最大搭載量 |
120.0 t |
「日本のエアライン2009-2010」 イカロス出版, 2009年
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