Rainbow Island
BOEING B777-300 / 300ER
「世界最大の双発機」、ボーイングB777-300。
この機種はボーイングが開発した中大型双発機B777シリーズのストレッチタイプである。
基本となるB777-200の胴体を10m以上も延長し、全長は73.9mにも達した。
座席数はオールエコノミーで最大550席となり、双発ながらB747クラシックに匹敵するキャパシティを手に入れた。
B777-300計画は1995年のパリ航空ショーでゴーアヘッドが決定し、
ローンチカスタマーにはキャセイパシフィック航空・全日空・大韓航空・タイ国際航空が名を連ねた。
初号機は1997年に初飛行し、翌1998年にキャセイパシフィック航空に納入された。
その後ローンチカスタマー4社に加えて日本航空やシンガポール航空など、
B747クラシックに代わる中距離用大量輸送機材として、アジア地域のエアラインから発注された。
B777-300は胴体が伸びている一方で基本システムはB777-200ERのものを使っているため、
燃料の搭載量制限により満席満載での航続距離は5000km程度に留まった。
長距離飛行を求められる欧米のエアラインには1機も売れず、実質的に「アジア専用機」の位置づけとなってしまった。
また胴体延長によりホイールベースが伸びて、コクピットからメインギアを確認できるカメラシステムが搭載された。
それでも誘導路を曲がる際にメインギアが脱輪するトラブルが多発し、
空港では誘導路改修を余儀なくされたところも多かった。
21世紀を目前に控えた2000年、ボーイングのお荷物的存在だったB777-300に大きな転機が訪れた。
最大の弱点を克服した航続距離延長型、300ERのローンチだ。
新開発のGE90-115B大推力エンジンや、レイクドウィングチップの搭載をはじめとする
数々の改良により見違えるほどに生まれ変わった。
2003年に初飛行、そして翌2004年にエールフランスへ初号機が引き渡されている。
この300ERはアジアのみならずヨーロッパ、南アメリカ、アフリカ、そして北アメリカと世界中のエアラインから
300機を超える発注を集め、B747-400を抑えてボーイングのフラッグシップへと上り詰めることとなった。
キャセイパシフィック航空 BOEING B777-367 (B-HNM) @成田空港 2006.08.31
片側5枚の非常口ドアが見分けるポイントだが、300型の実機を一目見るとその長さに圧倒される。
エールフランス BOEING B777-328ER (F-GSQH) @成田空港 2006.08.31
300型はERで一番の苦手だった長距離フライトを克服し、瞬く間に全世界のエアラインから注目される存在になった。
大韓航空 BOEING B777-3B5 (HL 7573) @成田空港 2006.08.31
短中距離の大型機と思われがちな300型、だけどアメリカ西海岸までは余裕で飛べる。
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B777-300 |
B777-300ER |
全長 |
73.9 m |
全幅 |
60.9 m |
64.8 m |
全高 |
18.5 m |
巡航速度 |
894 km/h |
航続距離 |
11,000 km |
14,500 km |
最大座席数 |
525 |
参考文献
青木謙知,「旅客機年鑑2008-2009」,イカロス出版,2008年
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