Rainbow Island
BOEING B747-100 / 200B / SR
B747は「ジャンボ」の愛称で一般にも広く知られる、ボーイングの超大型旅客機である。
長距離用中型四発機B707、中距離用小型三発機B727、そして短距離用双発小型機
B737に続くボーイングの4作目は当時の常識を大きく超える「一部2階建て」で誕生した。
元々はアメリカ空軍の超大型戦略輸送機CX-HLS計画のために開発された機体であったが、
ロッキードのC-5ギャラクシーに敗れたため民間の旅客・貨物機として再設計された。
当時最大だったマクドネルダグラスDC-8-61の倍以上となるキャパシティのため
多くのエアラインは発注に慎重だった(のちにA380でも同じことが繰り返される)が、
1966年にパンアメリカン航空から初めての発注を得てローンチした。
通常型であるB747-100は1969年2月に初飛行し、
2006年4月のA380初飛行まで37年にわたってジャンボは「世界最大の旅客機」として君臨してきた。
B747の開発はまさに前人未踏の領域であり、重量超過やエンジンのパワー不足など
様々な問題に悩まされながらも一つずつ解決し、1970年に初号機をパンアメリカン航空に引き渡した。
これまでのナローボディ機とは別次元といえるキャビンアレンジを可能にしたB747は、
瞬く間に「空飛ぶ豪華客船」として長距離路線の花形となり、
さらなる航続距離延長の要望から長距離型のB747-200Bが開発された。
B747-200Bの初号機は197X年にKLMオランダ航空へと引き渡されている。
一方で長くても千数百kmという国内線に、500席もの超大型機を必要としていた国のエアラインもあった。
それは紛れもなくJALとANA、ボーイングでは両社向けの特注ともいえるB747SRを開発してその要望に応えた。
燃料タンクを減らしてペイロードを極限まで増やすとともに、
数多くのフライトサイクルに耐えられるよう機体構造を強化したSRは両社の中心機材として大活躍を見せたが、
特注ゆえに退役後は部品取りとなってしまう機体が続出した。
B747はその後も2階席を増強したB747-300、グラスコクピットで2人乗務を可能にしたB747-400
(ともに別記事で解説)へと進化し初飛行から40年近く経過した今なおそのDNAは受け継がれている。
ノースウエスト航空 BOEING B747-251B (N 623US) @成田空港 2006.08.31
ノースウエストの赤いクラシックジャンボは、つい数年前まで成田や関空の常連機材だった。
ノースウエスト航空 BOEING B747-251B (N 624US) @成田空港 2006.08.31
JALなどとともに、比較的遅くまでオリジナルスタイルのクラシックジャンボを運航していたNWA。
オリエントタイ航空 BOEING B747-246B (HS-UTD) @関西空港 2004.05.05
元JALのジャンボを数多く飛ばしているオリエントタイ航空。白とグレーの塗り分けはJAL時代そのままだ。
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B747-100 |
B747-200B |
B747SR |
全長 |
70.7 m |
全幅 |
59.6 m |
全高 |
19.6 m |
巡航速度 |
905 km/h |
航続距離 |
10,100 km |
12,800 km |
2,590 km |
最大座席数 |
528 |
550 |
参考文献
青木謙知,「旅客機年鑑2008-2009」,イカロス出版,2008年
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